アトピー肌の乾燥と保湿

バリア機能

「スキンケア」が大切なのは、アトピー性皮膚炎の原因となる様々な「刺激」に対して、皮膚を守ってくれる「バリア機能」をしっかりと機能させるためです。アトピーを発症してしまう人の「バリア機能」は元々、その働きが弱くなっていますから、それを補うためのケアは欠かせないと言うことができるのです。

「バリア機能」が弱いという事は、皮脂膜が薄く、水分を逃がしやすい状態である事が想像されますから、それを、しっかりと保湿でカバーしてやれば、少なからず、その機能の働きは違ってくるはずです。

保湿剤依存症と脱保湿

アトピー性皮膚炎の方が保湿剤を使用すると、『保湿剤依存症』になると聞いた事があります。

保湿剤依存症とは、皮膚に保湿剤を付ける事により皮膚本来が持っている保湿機能が衰退してカサカサの乾燥肌になると言う事です。

しかし、女性が毎日化粧で保湿液や乳液を使用しても、アトピー性皮膚炎の様な肌にはならない事から、保湿剤を使用したからといって極端な乾燥肌にはならない事は立証されています。

ただアトピー性皮膚炎患者で脱保湿を行うとアトピー性皮膚炎が良くなる場合もあります。



脱保湿でアトピー性皮膚炎が改善するという事は、保湿剤にアトピー性皮膚炎を悪化する成分が入っている場合があるためです。

保湿剤には薬の効能を持たない、量や濃度を調整する目的で添加される基剤成分があり、塗り薬（軟膏）ならワセリンとかが基剤に使われている場合があり、それが原因でアレルギー反応を起こしアトピー性皮膚炎が悪化します。

また、保湿剤の防腐や劣化を遅らせる為に、合成保存料や合成安定剤などが配合されている事もあり、そして香料が使用されている事もあります。

これらが原因でアレルギー反応を起こし、アトピー性皮膚炎が悪化する事もありますから、使用時は注意が必要です。

保湿剤のメリット

では、アトピー性皮膚炎患者にとって保湿剤は不要かと言えばそのような事は無く、アトピー性皮膚炎患者の方なら解ると思いますが必要ですよね。

保湿剤は、脱ステロイド時の皮膚乾燥によるツッパリ感を和らげアトピー性皮膚炎の痒みや痛みを和らげる良い物です。

動くたびに乾燥した肌が引っ張られて痛痒いのを、保湿剤は皮膚に潤いを与え、そして肌に弾力を持たせこの痛みや痒みが起きる状態を和らげてくれます。

保湿剤で肌が潤っている為に、体が動く時の痛みや痒みが少なくなるから無駄に皮膚を掻く事も無くなりますからね。無駄に皮膚を掻く事をしなくなりますから、アトピー性皮膚炎の症状も酷くなり難い訳です。